2010年6月2日水曜日

淡く,息の長い付き合い

先日,あるシンポジウムを聞きに出かけてきました。

3人のシンポジストの先生方のお話,どれも大変興味深くて,
「ああ,やはり研究はいいものだな」と。

シンポジウムのあとで,あるシンポジストの先生とお話をする
ことができました。
いつの間にか,臨床のスタンスのお話になっていって。
私が日ごろお会いしているクライエントさんたちの場合だと,
面接の中で丁寧に行動分析をして,これからどのようにしていくか,
私の考えをお伝えします。
特に,強迫性障害の曝露-反応妨害法ではそう。そういう面接を
定期的に繰り返していきます。
これに対して,先生が会われているクライエントさんだと,
コンタクトは年に1回ぐらいだそう。
それでもクライエントさんたちは,前回のコンタクトのことを
覚えておられる。
先生曰く,「こっちが何かしようと思って踏み込むと悪くなるからね」,
「いい状態が5年ぐらい続いて,それが定着したと言えるかなー」。
まさにリハビリという言葉がフィットする。
「介入」というのは,彼らにとっては乱暴なことなんだろう。
「関わり」という言葉でさえ,彼らにとっては踏み込みすぎなのかもしれない。
私たちが,水や空気のようなたたずまいで,淡くて息の長い付き合いを持つこと。
はっとさせられたひと時でした。
先生にはまたお会いしたいなあ。

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