2010年10月1日金曜日

(認知)行動療法から学ぶ精神科臨床ケースプレゼンテーションの技術

著者の飯倉先生から頂きました。近刊です。

飯倉康郎 (認知)行動療法から学ぶ精神科臨床ケースプレゼンテーションの技術 
金剛出版 2010

私なんかにわざわざいただけるなんて・・・。ありがとうございます!!
ケースの資料をいかに準備し,まとめ,プレゼンテーションしていくか,
その手順が具体的に書かれた手引書です。
ちなみに,
実証研究の論文書きには,この本が,
実証研究の学会発表には,この本が,
役に立つ手引書です(知ってる人も多いと思うけど)。
私は折に触れて参考にしています。
この本は,私にとって,症例報告をするときに
いつも傍らに置いて,参考にする本になりそうです。
「第一部 ケースプレゼンテーションの基本」では,
 プレゼンテーションが行われる状況(臨床現場,学会発表)や,
その目的(問題の対策,新人の研修)が整理されています。
 確かに,ケースを発表する機会は何種類もあるし,
それぞれに応じて資料のまとめかたも異なると思います。
 また,公開の場でケースプレゼンテーションをするメリットが
まとめられていて,「これだけいいことがあるんだから,
がんばって準備しよう」という気分になります。
「第二部 ケースプレゼンテーションの実際」では,著者である飯倉先生が
行われた実際のケースプレゼンテーションが収録されています。
 強迫性障害に関しては,ADHDを伴う事例や統合失調症を伴う事例など,
工夫が必要な事例が報告されています。
 また,重度精神地帯の事例や認知症など,強迫性障害以外の事例も
報告されています。
 症例報告だけを読んでも面白いです。
 精神科で働く心理士にとって勉強になると思います。
 飯倉先生のケースプレゼンテーションは,学会や講演,
症例検討会で何度も拝見していますが,いつもお上手です。
切り口が面白いし,お話はすいすい頭に入ってくるように組み立てて
いらっしゃいます。
この本では,良質の実例だけでなく,どうやったらそのようにできるのか,
手続きというかノウハウを公開しておられます。
それが「第三部 Let's try  ケースプレゼンテーションを作成してみましょう」。
病歴や治療経過などの情報をワークシートの空欄に書き込みながら,
プレゼンテーションを整理していくようです。
これを使いながら,書きかけの症例報告を書き上げてみようっと。

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