2010年4月18日日曜日

研究のテーマ

研究では次のことに関心を持っています。

①侵入思考と,それに対する対処方略(思考コントロール方略)を切り口とした,不安・抑うつの研究。
  • 抑うつにおける制御困難な認知(自動思考や反すう)が,抑うつ症状とどのような関連を持っているのかを明らかにすること。
  • 思考コントロール方略にはどんなものが何種類あるのかを調べること,思考コントロール方略のアセスメント法を開発すること,それぞれの対処方略が侵入思考や臨床症状に対してどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすること。
  • 思考コントロール方略の観点から,様々な不安障害(全般性不安障害,強迫性障害,PTSD),気分障害の類似点,相違点を明らかにすること。
②慢性疼痛に対する心理的アプローチ。
  • 慢性疼痛に対してマインドフルネス瞑想法がどのような効果を持っているのかを明らかにすること。
  • 慢性疼痛における破局的認知,痛みに対するコントロール信念が,疼痛や生活障害に及ぼす影響を明らかにすること。 
そこで,このブログでも,こうしたテーマに沿った研究を紹介していきます。

臨床のテーマ・関心事

臨床のテーマの一つは,制御困難な認知への対処を援助することです。

もうちょっとかみ砕いて説明しますと,

まず,「制御困難な認知」というのは,いろいろな悩みが次から次へと,頭の中に浮かんできてしまうことです。

これが著しいと,人はそれにふり回されてしまいます。そして,ふり回されてあれこれあがいてみるけれども,かえってくたびれてしまったりすることも少なくありません。

ここで,いろいろな悩み自体がすぐになくならなくても,それにふり回されることが少なくなれば,落ち着いて考えることができて,すこしはましな解決策を見つけ出すことができるのではないでしょうか。

そこで,「いろいろな悩みに振り回されてしまう」という状態から,「悩みはいろいろあるけれど,それにふり回されにくくなる」という状態になるための援助技法を開発して,役立てていけたらと願っています。

※ネット上でのカウンセリング・相談活動は行っていませんので,あしからずご了承ください。