2015年7月31日金曜日

メタ認知療法についての私的まとめ①

Metacognitive Therapy for Anxiety and Depression(英語版)(日本語版)のPrefaceを
まとめてみました。(#は私なりのコメントです)

#メタ認知療法とは,従来の認知療法のように「何を考えるか」という観点からでなく,
「どのように考えるか」という観点から,不安障害と気分障害の維持を考察し,
介入する新しい認知療法です。

認知の重要性
思考が感情と心理面のウェルビーイングに影響を及ぼす。
#従来の認知療法を踏まえている。

MCTの中心的前提:精神障害は,思考がどの程度持続・反復するか
(裏を返せばどの程度一過性か)による=思考スタイルの選択とコントロールのプロセス。
規定するのはメタ認知(=自身の内的経験にどのように関与するか)。

CTとMCTの違い

従来の認知行動理論MCT
焦点偏った思考の内容思考の反復,持続の程度。陰鬱で制御困難。
無益な思考パターンの
原因への関心
なし(強いて言えばネガティブな信念)あり。メタ認知。
自身の思考とどのような関係を持つか(つき合うか)。
感情的苦痛の中心自動思考精神的プロセスの制御,持続する思考に対する考え方の選択
(CAS;無益な,心配/反芻のプロセスおよび精神的制御の方略)

メタ認知理論の提案:思考と情動の障害の原因となるメタ認知は,
従来のCBTで強調されてきた他の思考や信念とは別個のものである。