卒業する7期生の学生さんたちに向けて,本日,小さなメッセージを伝える機会がありました。
「学んだことが身につくまで」
現場に出て,一つの技法(手技)を何とか使いこなせるようになるまで,3年かかります。その技法が適用になる患者さんを相手に,コツコツと,丁寧に臨床を重ねていくことが大前提です。
技法はスキル(手続き記憶!)ですから,正しい型を身に着けることが大切です。日本の伝統芸能では,「守(教わった型を守って習練に励む)・破(教わった型を破って自分の型を作る)・離(型から離れて自由になる)」という段階を踏んでスキルを高めていくと言われますが,皆さんはまず「守」の段階に入るわけです。
今まで,スポーツや楽器の演奏をした人は,型を身体に叩き込むために,フォームの練習を繰り返したのではないでしょうか。素振りをきちんと行い,正しいフォームを身につけているからこそ,ボールは速く遠くに飛びます。ハノンの練習を繰り返し行ったからこそ,美しいメロディーを奏でることができます。正しい型を身につけているからこそ,難しい場面でも応用がききます。臨床も同じです。
心がけてほしいことは次の2つです。
①かならず,教科書に戻って確認する。
自分が担当する患者さんがいて教科書を読むことで初めて,書かれていることが分かった,つながったという体験を,皆さんは実習期間中に,あるいは実習が終わってから,してきたと思います。この先,働き始めてから,それがどんどん起きてきます。今まで教科書にした書き込み,調べて作ったノートに書かれていることの意味が本当に分かってきます。やりっ放しでなく,かならず,教科書に戻ってください。見えてくる世界が違ってくるはずです。
②ベテランで,その技法をきちんと使いこなせている先生に指導していただく。
実際にその技法をやっているところを見せていただく(モデリング!)ことができたら,一番勉強になります。また,自分がふだんしていることを先生に見ていただいて,チェックしていただくのもよい方法です。
3年たって,成長した姿を見せに大学に遊びに来てくれると大変うれしいです。
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