2015年12月30日水曜日

メタ認知療法の私的まとめ⑪ 大うつ病性障害のメタ認知モデル その2

重要な特徴は以下の4つ。
(1)ポジティブなメタ認知的信念:「抑うつ気分の克服や,問題の答えの発見法として,反すうは必要(役立つ)」
(2)ネガティブなメタ認知的信念:「反芻は制御不能,自分は心理的に脆弱,抑うつ体験は危険」
(3)反芻に関するメタ認知的気づきの弱さ
(4)CAS(反芻,脅威モニタリング,無益な対処行動)

メタ認知モデル=一回の抑うつエピソードを維持するメタ認知とプロセスを提示
ひとつのエピソードの中に「(ベースとなる)ネガティブな感情 + 悲哀感や興味関心の喪失 → 悪化」の時期 トリガーに対する,状態様の反応

トリガー:ネガティブな思考(自己,将来,世界について),症状(疲労,動機の低下,悲哀感)
     ↓
「ポジティブなメタ認知的信念」を活性化
・トリガーの意味と原因を反芻(brooding)する必要性
・症状モニタリングの重要性
・感情を平坦にし続けることで,感情の浮き沈みを回避
     ↓
症状の意味と原因,自身の生活状況について考え込み(反芻)を持続。
     ↓
気分障害mood disturbanceを持続,増強(特にうつ病の初期段階)。
     ↓
     ↓ ←心理社会的要因(e.g., うつ病について患者が知ったこと)
     ↓
「ネガティブなメタ認知的信念」の活性化
・「抑うつは制御不能」と思いこむ ⇒ 反芻の維持。無益な対処行動。
・反芻し続ける過程への気づきの弱さ(持続すると習慣化し,目立った悪影響もないため) 
     ↓
うつ病に伴う行動の低下,動機の喪失,思考パターンの変化
     ↓
反芻を増強

抑うつエピソードに陥る
     ↓
今後,抑うつエピソードに陥ることを恐れる
・「うつ病の初期兆候に警戒する必要がある」という信念 → 再発を心配 → 不安‐抑うつ混合型を呈する。
     ↓
反芻とうつ病のトリガーに対するアンテナ感覚強まる(=脅威モニタリング)
エネルギー,気分,ストレス,動機づけなどの,通常レベルの変動を,うつ病再発のサインと誤解。
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