2021年11月20日土曜日

応用行動分析に基づく「セルフコントロール」のお話を高校生にしました

 弊学は,大川樟風高校と「高大連携事業」を行っています。看護・福祉系の生徒さんたちが11月17日(水)の午後に来校され,「セルフコントロール」というテーマの私の講義を聞いていただきました。ミルテンバーガーの「行動変容法入門」の「自己管理」の章を参考にした,応用行動分析から見た「セルフコントロール」のお話です。

 「セルフコントロールということですが,根性がない,気合が足りない,甘えている,我慢する,みたいなことは一切言いませんから安心してください」と念押ししてから話を始めました。自分であれ,生徒さんが将来出会うであろう患者さんや対象者さんであれ,「こんなことができるようになったらいいな」という行動を,始めやすいきっかけを作り,最初は求めるレベルを低めにし,行動したらこまめに手応えを得られるように工夫しよう,ということを,手を変え品を変えお伝えしました。

 身近な話題として,「筋トレ」の場合だと,
・いつ,どこでやるのかを決めてしまう。
・最初から,翌日に筋肉痛になるほど強くはやらない。慣れてからレベルアップ。
・「体力がついたな」と実感できるまで何ヶ月かかかるので,それまでの間は,カレンダーに○印をつけるなどしていく(○印が強化子になる)。
 といったやり方が考えられます。

 引率の先生が,過年度の私の話を聞かれて,「犬の散歩をしたらカレンダーにプードルのシールを貼る」という実践されて,毎日,犬の散歩をされるようになったと話してくださいました。「シールがだんだんたまってくると,シールがたまるのが楽しみで犬の散歩に行くようになりました」,「そのうち,シール売り場に行くのも楽しくなりました」とおっしゃっていて,楽しみが介在するルートに入ったら続くよなあと。無理してガマンして続けるのではない,始めやすく続きやすいように環境を設定することによって,結果的に続いてしまうようにする,というのがポイントです。

レイモンド・G.ミルテンバーガー. (2006). 第20章 自己管理. 園山 繁樹, 野呂 文行, 渡部 匡隆, 大石 幸二 (訳), 行動変容法入門 (pp. 351–364). 二瓶社.



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