いつ測定しても同じようなテスト得点が得られる。
信頼性係数を導くため,i番目の受験者の得点y iを以下のように表現。
y i = t i + e i
t
i・・・受験者iの真の得点(受験者iに同一のテストを無限回繰り返して測定と
仮定したときのy iの平均E(y i)。個々の受験者iに関しては,t iは定数だが観測できない。
e
i・・・測定時におけるランダムな誤差。
受験者iの測定誤差e iの標準偏差は,受験者iの測定の標準誤差と呼ばれ,
この値が小さいほど,テストによる受験者iの測定が正確に行われていると解釈できる。
受験者iの測定の標準誤差
受験者iについて繰り返し測定して得られたデータの
標準偏差を求めて推定。しかし,現実的には困難。
↓
受験者iを含む受験者母集団を考える。測定のモデルは,
y = t + e
ここで,真の得点と誤差に関する仮定を以下のように置く。
E(e)=0,r(t,
e)=0
誤差の期待値も,tとeの相関も0
このとき,受験者母集団におけるテスト得点の分散σ2y,真の得点の分散σ2t,
測定誤差の分散σ2eの間に以下の関係が成立
σ2y=σ2t
+ σ2e
σ2eを測定の誤差分散,その正の平方根を測定の標準誤差(standard error of
measurement:SEM)と呼ぶ。
一般に,テストにおける測定の標準誤差とは,先述の個人iについてのものでなく,こちらを指す。
すなわち,受験者母集団における測定誤差の平均的な大きさと解釈でき,
ひとつのテストから単一の指標として求められる。
テスト得点yの分散は,真の得点tの分散と,誤差eの分散の和に分解される。
このとき,真の得点の分散の,テスト得点の分散に対する比ρが,
テスト得点yの信頼性係数(reliability
coefficient)。
ρ=σ2t/σ2y
観測されるテスト得点yの変動のうち,真の得点の変動で説明できる割合,と解釈できる。
また,以下のようにも表せる。
ρ=σ2t/(σ2t + σ2e)=1-σ2t/σ2y
測定の誤差分散σ2tが小さいほど1に近い値をとり,「測定の信頼性が高い」と言う。
逆に,σ2tが 大きいほど0に近い値をとり,「測定の信頼性が低い」と言う。
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