Keefe, F. J., Shelby, R. A., & Somers, T. J. (2010). Catastrophizing and pain coping: moving forward Pain, 149, 165-166
本ブログで紹介したCampbellらの論文に対して,好意的なコメントと展望とをKeefeさんが寄せている。
先行研究はクロスセクショナルなデザインで,手法は観察だった。
これに対して,Campbellらは実験法を導入した。これには次のような利点がある。
・サンプルを注意深く選択した。その結果,あり得る交絡変数(医学的障害や精神医学的障害,投薬,薬物乱用など)を除外できている。
・気晴らしの手続きは標準化され,注意深くモニターされている。
・疼痛の誘導法を工夫している。
・痛みの強さの評定が5分ごとにきめ細かく行われている。
将来の方向性
破局的認知の測度を実験の前と実験の最中でも測定するとよい。
⇒ 痛みとの連動を調べることができる。
示唆
疼痛に対する破局的認知の効果は,これまで考えられてきたよりも微妙なのかもしれない。今後の研究では,他の対処法略(e.g., イメージ,リラクセーション,自己陳述)に対して破局的認知が与える影響も調べるとよいのではないか。
臨床的示唆
破局的認知の傾向が高い人は,気晴らしの効果が出てくる前に止めてしまう可能性がある。そこで,破局的認知の傾向が高い人たちに対しては,気晴らしの効果について,粘り強くやっていると効いてくるという予期を形成する必要がある。
0 件のコメント:
コメントを投稿