「間隔尺度の割り算ができないのはなぜ?」という質問はよくあるので,ここで考え方を書いておきます。これには,比率尺度の「0」と間隔尺度の「0」はどう違うかを考えることが助けになるでしょう。
比率尺度の0は「測っているものがない」ことを表します。例えば,長さが0なら長さがない,重さが0なら重さががない。その0は「動かせない0」です。下の図だと①の場合です。この場合,0をスタート地点にして,Aまでの距離は1,Bまでの距離は2と,それぞれひとつの値に決まります。そうすると,割り算した結果も,2÷1=2と,ひとつに決まります。
一方,間隔尺度の0は、測っているものがないと言えない0なのです。この0は「動かせる0」です。上の図の②の方で考えてみましょう。0の場所を①と同じにしたなら,Bまでの距離はAまでの距離の2倍になるように思えます。しかし,0の場所を一番左の「・」にしたなら,Aまでの距離は2,Bまでの距離は3となって,割り算した結果は3÷2=1.5となり,先ほどの2とは違う値になってしまいます。0の場所が動くために,それぞれの点までの距離が変わってしまい,割り算した結果も変わってしまうわけです。
よく,「間隔尺度の割り算はできない」と聞くことがあるかと思いますが,実際には,このような理由で,間隔尺度を間隔尺度で割った結果は,0の場所によって変わるために,意味がはっきりしない,ということなのだと思います。
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