「散布度」で分散と標準偏差が取り上げられます。でも,これらが意味するところって,学生さんにはなかなか分かりづらいようです。
結局,いろいろな測定値のばらつき度合いを,ひとつの数値に要約してきているのですが,実際の数値例を使って計算してもらうようにしています。
例えば,何人かで100mを走った架空のタイムを出します(単位のある数値を使う理由は,後で√を取る理由を説明するためです)。ひとりひとりのタイムから平均を引き算した平均偏差は,人数分出ます。ここで,平均よりも速い子(平均偏差がマイナスの子)や,平均よりも遅い子(平均偏差がプラスの子)がいることを確認して,「ばらつき」のイメージを確認します。
「人数分の平均偏差をひとつの数値で表現できたら便利じゃないかな?」という問いかけを行った後,プラスもマイナスもあるから,マイナスの符号を消すために,ぜんぶ二乗してから足すのですと,二乗する理由を強調します。
それで,人数で割り算するのは,一人あたり,何秒の二乗ばらつくかを調べるためと説明します。マイナスという邪魔者にいなくなってもらうために二乗したけれど,今度は単位が「」「秒」でなく「秒の二乗」になってしまっているので,単位を「秒」に戻すために√を取ります。
これでようやく,一人あたりどの程度ばらつくかを,もとの単位と同じ単位で表現することができました。
高校の数学で公式を暗記している人も少なくないと思いますが,「なんでここでこの計算をやるのか」を言葉で補って説明すると,学生さんには分かりやすいのかなと。
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