Relnolds & Wells(1999)以来ほとんど目にしたことがなかったのですが,
最近になってひとつ出ました。
Watkins, E. R., Moulds, M. L.(2009). Thought control strategies,
thought suppression, and rumination in depression. International
Journal of Cognitive Therapy, 2, 235-251.
彼らは,大うつ病性障害の患者群,大うつ病性障害から寛解した群(=かつて
大うつ病性障害だったけれど現在はそうではない),健常群(うつ病になった
ことがない)の3群で研究を行いました。
まず,3群を混みにして,TCQの5つの下位尺度の得点とBDIとの相関を
調べたところ,以下の結果が得られました。
・罰方略,心配方略がBDIと正の相関を示した。
・社会的コントロール方略,気晴らし方略がBDIと負の相関を示した。
次に,3群で,TCQの5つの下位尺度の得点を比較したところ,以下の結果が
得られました。
・心配方略の得点は,大うつ病性障害から寛解した群,健常群に比べて,
大うつ病性障害の患者群で有意に高い。
・罰尺度で,大うつ病性障害の患者群,大うつ病性障害から寛解した群,健常群
の3群で有意差が見られ,この順に得点が高かった。
こういうremitted patientの研究って,障害が治るのに伴ってどのような特徴が
消えていき,障害が治ってもどのような特徴は残存するのかを示唆してくれます。
うつ病が再発を繰り返すことを考えると,症状が消えても残存する特徴が
リスクファクターになってる可能性もあるんじゃないだろうか。
この,International Journal of Cognitive Therapy,最近立ち上がった
ジャーナルみたいです。
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