ひとつひとつの項目について:項目困難度と項目識別力の標本依存性
項目困難度=項目の正答率→受験者集団が異なると変動。
・能力の高い受験者から成る集団→項目の正答率は高い=項目困難度は低いと判断。
・能力の低い受験者から成る集団→項目の正答率は低い=項目困難度は高いと判断。
項目識別力=能力の高い被験者とそうでない被験者とを区別できる程度。
・同程度の能力の人ばかり集まった集団では,受験者の能力の個人差が小さくなる→ある項目に対して,「能力の高い受験者は正答し,能力の低い受験者は誤答する」という傾向が見出されにくくなる。
同じ項目なのに,受験者集団の性質によって,困難度や識別力が変動するってこと?
テスト全体について:テスト得点の項目依存性
テスト得点(受験者の能力に関する情報)→項目困難度に依存
・項目困難度が高い(=易しい)項目で構成されたテスト→テスト得点は高い。
・項目困難度が低い(=難しい)項目で構成されたテスト→テスト得点は低い。
受験者の能力は同じなのに,テストを構成する項目によって,テスト得点が変動するってこと?
異なる受験者集団や,異なるテストを比較する場合に問題となることがある。