2014年8月27日水曜日

ブログを移転し,再開しました。

 長らくお休みし,半ばデジタル廃墟と化していたブログですが,
bloggerに移転して再開します。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2011年2月11日金曜日

遅ればせながら,お見舞い申し上げます。

1月19日に新燃岳が噴火して,もう3週間が過ぎました。

私の知り合いにも宮崎,鹿児島のご出身の方がいらっしゃるので,
いっそう心配になります。

昨年の5月に霧島を訪れました。
雄大な光景に開放感を味わったことを思い出します。
その土地に灰が降っているのだと思うと,何ともいえない気持ちになります。

地域の方は,いつ終わるのか見通しを持てない中で,降灰や硫黄の臭いに
悩まされていらっしゃることと思います。
一日も早く噴火が収まることを祈らずにはいられません。

2010年12月5日日曜日

侵入思考,スキーマ,思考コントロール方略の関係

先日,今後の研究の枠組みとをある方と話し合っていた折に,
有益な質問がもらえたおかげで,有益な答えを引き出してもらえました。

思考コントロール方略を研究する人間は,思考コントロール方略が
侵入思考を強めたり弱めたりするという立場を取ります。
つまり,思考コントロール方略は侵入思考に影響を与える要因,
もっとざっくり言えば侵入思考に対する原因系の変数だと考えるわけです。
そこでその方が質問されました。
「思考コントロール方略以外に,侵入思考の原因になるものって何ですか?」
「えーっと,えーっと」
侵入思考の原因について,従来の認知療法(Beckに発する,
第二世代の認知療法ですな)は,スキーマであると考えます。
つまり,スキーマという潜在的な認知構造があって,
それが何らかのイベントによってトリガーされ,
活性化されて侵入思考がアウトプットされるという考え方です。
(これについては,丹野先生の解説が分かりやすいので,
そちらを参照されてください)
ここまで答えたところで,「じゃあ,思考コントロール方略とスキーマとは
どのような関係にあるのだ?」という問いが私の頭を過ぎりました。
思考コントロール方略は,スキーマが活性化されてアウトプットされた
侵入思考に対して加えられる処理,あるいは操作であると言えるのです。
つまり,両者は役割が異なります。
まとめれば,
「event→スキーマ→侵入思考→思考コントロール方略→侵入思考」
というプロセスを考えることができるでしょう。
これなら,第二世代認知療法の知見と整合的で,それにつなげながら
議論していくことができます。
もうちょっと早く気がついていれば,紀要に書いたレビューに
この論点も盛り込むことができたのですが。
それから,セラピーのことを考えると,従来の認知療法っていうのは,
スキーマを活性化させて,それを修正することであると言えます。
一方,思考コントロール方略に着目したセラピーというのは,
侵入思考を強める操作を見つけ出して,それを使うのを控えてもらったり,
侵入思考を弱める操作を見つけ出して,それを使うようにしてもらったり
することであると言えるでしょう。
で,「構造を変えることと操作を変えることと,どっちが容易でしょうか?」
という問いを私の方からその方に投げかけたところ,
「操作でしょう」というお答えをもらえました。
(ここでも,まずは操作を変えて安全圏を確保しておいて,
その後で構造を変えることにゆっくり取り組めばいいのではないか,
という,両者を結びつけた議論は可能だと思います)
マインドフルネスっていうのは,思考コントロール方略に影響している
部分もあるのではないか,と思ってみたり。
今日は備忘録的にブログにまとめておいて,いずれは何かにまとめたいと
思います。

2010年11月25日木曜日

Re: 論文採択、おめでとうございます

長らくのご無沙汰でございました。

今年度の紀要に,Thought Control Questionnaireを使った研究のレビューを
執筆し,9月末に投稿していました。先日,無事に受理通知が来ました。

侵入思考が関わる障害は多岐に渡りますが。今回は不安障害とうつ病とに
限定してレビューしています。
取り上げた研究には以下のものが含まれています。
・強迫性障害における強迫観念
・PTSDにおけるフラッシュバック
・全般性不安障害における心配
・うつ病における自動思考
TCQを使った不安障害・気分障害の研究はずいぶんカバーしていると思います。
興味を持たれる方にお役に立つのではないかと考えています。
これから原稿の校正に入ります。誤字脱字や表記のゆらぎなどを見つけ出しては
修正していきます。つぶしてもつぶしてもどこかにあるので,最後まで
気を抜けません・・・。
抜き刷りが出来上がるのは年度末になってしまいますが,
ご入用の方は遠慮なくお申し出ください。
統合失調症における幻覚・妄想も侵入思考の一種と言えます。実際,幻覚や妄想
と思考コントロール方略との関連を調べた研究もいくつか行われています。
このあたりの研究については,今回は扱っていませんが,今後まとめていきたいと
考えています。
また,せっかくいろいろな論文を集めたので,メタ分析をやってみるという
方向性もないわけではないか,などとぼんやり考えています。

2010年10月1日金曜日

Chronic Pain Acceptance Questionnaireの日本語訳

以前ご紹介した,慢性疼痛に対するアクセプタンスを測定する質問紙
Chronic Pain Acceptance Questionnaireの 日本語訳を見つけました。

(認知)行動療法から学ぶ精神科臨床ケースプレゼンテーションの技術

著者の飯倉先生から頂きました。近刊です。

飯倉康郎 (認知)行動療法から学ぶ精神科臨床ケースプレゼンテーションの技術 
金剛出版 2010

私なんかにわざわざいただけるなんて・・・。ありがとうございます!!
ケースの資料をいかに準備し,まとめ,プレゼンテーションしていくか,
その手順が具体的に書かれた手引書です。
ちなみに,
実証研究の論文書きには,この本が,
実証研究の学会発表には,この本が,
役に立つ手引書です(知ってる人も多いと思うけど)。
私は折に触れて参考にしています。
この本は,私にとって,症例報告をするときに
いつも傍らに置いて,参考にする本になりそうです。
「第一部 ケースプレゼンテーションの基本」では,
 プレゼンテーションが行われる状況(臨床現場,学会発表)や,
その目的(問題の対策,新人の研修)が整理されています。
 確かに,ケースを発表する機会は何種類もあるし,
それぞれに応じて資料のまとめかたも異なると思います。
 また,公開の場でケースプレゼンテーションをするメリットが
まとめられていて,「これだけいいことがあるんだから,
がんばって準備しよう」という気分になります。
「第二部 ケースプレゼンテーションの実際」では,著者である飯倉先生が
行われた実際のケースプレゼンテーションが収録されています。
 強迫性障害に関しては,ADHDを伴う事例や統合失調症を伴う事例など,
工夫が必要な事例が報告されています。
 また,重度精神地帯の事例や認知症など,強迫性障害以外の事例も
報告されています。
 症例報告だけを読んでも面白いです。
 精神科で働く心理士にとって勉強になると思います。
 飯倉先生のケースプレゼンテーションは,学会や講演,
症例検討会で何度も拝見していますが,いつもお上手です。
切り口が面白いし,お話はすいすい頭に入ってくるように組み立てて
いらっしゃいます。
この本では,良質の実例だけでなく,どうやったらそのようにできるのか,
手続きというかノウハウを公開しておられます。
それが「第三部 Let's try  ケースプレゼンテーションを作成してみましょう」。
病歴や治療経過などの情報をワークシートの空欄に書き込みながら,
プレゼンテーションを整理していくようです。
これを使いながら,書きかけの症例報告を書き上げてみようっと。

2010年9月28日火曜日

日本心理学会第74回大会後記

日本心理学会第74回大会,参加してきました。

発表が初日の午前中だったので,前泊しました。
夕食は,高校時代の友人と,ジャンジャン横町で串揚げなど頬張りました。
初日
例年注目しているある方の発表を聞きにいって参りました。
ポスター脇でちょっと情報交換。やはり似たようなところで似たような課題を
感じているよう。
あの先生が私のポスターに来てくださいました!!
思考コントロール方略を研究する意義について,私なりの考えを説明しました。
「侵入思考とどう付き合ったらよいか」というのは,認知行動療法の介入技法の
面では提言されている(カラム法はその代表例)。
しかし,基礎理論の面で,「侵入思考とどう付き合っているか」の概念化も,
測定手法もない。つまり,理論と技法とが不一致。
そこで,思考コントロール方略について研究することは,この不一致を解消する
上で意義がある,というようなことを申し上げました。
先生は「ああ,そうだよね」と言ってくださって。
この説明の仕方はちょっといいかもしれない,と思えました。
��当日発表しました内容については,昨年度の紀要にまとめております。
興味がおありの方は,メールフォームからご連絡ください)
お隣のポスターが,その先生の学生さんだったので,そして,抑うつと自己意識
がらみの発表だったので,お話を伺いました。
少しは気の利いたコメントができたでしょうか。
それから,思ってもみなかった職域の方が私のポスターにお越しになりました。
「自分たちの職能を,職人芸で終わらせず,後代にかたちとして残すために
どうしたらいか,参考にしようと思って」と。
私の発表がお役に立つのであれば,是非ともご活用いただきたい。
発表が終わって少し気が抜けて,昼から先輩と麦のジュースで喉を潤しました。
一仕事終わると,やっぱりおいしいですねえ。
二日目
統合失調(症)のシンポを聞きに行きました。
基礎研究,アセスメント,介入などいろいろな立場の方からのご発表でした。
ひとつのテーマに対して複数のアプローチがあるからいいんだよねえ。
阪大の精神科の先生が漏らされた,心理士への不満が痛かったです。
「患者の服薬アドヒアランスを高める介入」を心理士にやってほしい,
ということなんですね。
服薬も行動なので,その生起頻度に関わる要因を特定したり,介入したりする
ことに,行動科学の知識や手法を使えるはずです。
「臨床実践と心理学研究の対話」
松見淳子先生のお話は逐一頷けるものばかりでした。
介入の効果研究が進展する今日,心理士に必要なのは
・実験心理学の理解,アセスメントツールや統計の知識,
・介入技法の体得,英語の研究論文の読解能力,
などだと思います。
臨床現場から研究へ来られた先生のお話。自分にも似ているところがありました。
臨床の人と話すときと,研究をして論文を書くときとでは,「コトバ」の使い方
が全然違うのですよ。そこに正面から取り組んでおられて,好感が持てました。
きっと大変だと思うのですが,実のある大変さなので,ぜひ頑張ってほしい。
懇親会への移動のバスの中では,駆け出しの時からお世話になっている先生に,
私の論文についてコメントをいただけました。
お褒めのコトバとしては,
・「問題と目的」で述べているモデルは,臨床の実感と一致している。
・ポジティブな自動思考はネガティブな自動思考を抑制しないというのも,
実情に合致している。
厳しいコトバとしては,
・同一時点で収集したデータなのにパス図を描いたら因果関係に言及できるって,
どうして?
懇親会 
一度お話をうかがいたかった先生方にご挨拶。
他の方とお話していらっしゃる切れ間を狙うということで,合コンみたいだった。
興味のある先生に対しては,どういう道を辿って今日に至っておられるのかを
聞きたくなってしまう。
ある先生は,研究でお名前を拝見していたのだけれど,
大変そうな患者さんを診ておられて,ケースの話でちょっと盛り上がりました。
もっとケースの話などしたかった。またの機会を狙います。
もうお一人の先生は,医学部の中で心理学者としての地歩を築いていらっしゃる。
研究しないと賢くなれないし,研究やるには物事を手際よくこなさないと いけないし。
しかも,周囲に心理(学者)がいない状況で研究するって大変だと 思う。
��心理学者としてのアイデンティティが確認できるから,日心の大会に参加
するっておっしゃってた)
水曜日は仕事の都合で参加がかないませんでした。
認知療法学会まで行くと1週間も家を空けることになるので,憚られました。
両方参加された方もちらほらいらっしゃったようで,私も行きたかった。
来年の大会は日大,再来年は専修大だそうです。
日心の雰囲気は好きなので,毎年発表をしながら参加を続けています。
学会を運営してこられた諸先輩方,今回の大会運営をされた阪大の皆様に感謝。
学会の大会に参加すると,短期間で知識の整理ができるし,ふだんなら知り合え
ない方とも知り合えるので,密度の高い時間を過ごすことができます。
今年は,行動療法学会@名古屋に参加します。ひつまぶし食べたいー。
「臨床的なテーマに,行動科学的な手法で迫る」という考え方に同意して
いただ ける方は,拍手をお願いします。