2015年8月25日火曜日

メタ認知療法についての私的まとめ③ 「精神障害のメタ認知モデル」

self-reguratory executive functionモデル(S-REF; Wells & Matthews, 1994, 1996; Wells, 2000)を詳述。
感情障害がトップダウンコントロールによって維持されることを認知的,メタ認知的に説明

認知的プロセスが,相互作用する3つのレベルに渡って存在すると想定。
①低次処理過程(自動的で反射的な処理過程)
②認知スタイル(オンラインの過程。思考と行動を意識的に処理)
③メタシステム(メタ認知的知識・信念のライブラリー。長期記憶に貯蔵)

2015年8月20日木曜日

メタ認知概念の整理

第1章「はじめに」を要約する。

メタ認知とは,自分自身の思考や認知についての思考(Flavell, 1979)。
単一の概念ではなく,多面的なmulti-faceted概念。
3つの側面:メタ認知的知識,メタ認知的モニタリング,メタ認知的コントロール

表1.1 メタ認知に関する重要概念の定義
概念定義日常の例
認知象徴的な心的活動と心的表象学習,問題解決,推論,記憶
メタ認知ほかの認知についての認知
メタ認知的知識ある種の認知についての宣言的知識
言葉で述べることができる,認知についての事実や信念
人一般についての場合も,個人に個別的な場合も
誤った信念を含むこともある。
#宣言的知識だけ?手続き的知識もでは?
・学習がどのように機能するかについての知識
・学習を改善する方法についての知識
・「多くの場合,イメージを使って単語リストを学習する人は
 そうでない人よりたくさん覚えている」,「私は数独が苦手」
・長年の研究で分散学習の有効性が示されているのに,
 多くの学生は,試験前の一夜漬けの効能を信じる。
メタ認知的モニタリング認知活動の現在の状態を査定すること
#査定は正確な場合も不正確な場合もある
・問題の正しい解決に近づいているかどうかを判断する
・読んでいることをどれほどよく理解しているかを査定する
メタ認知的コントロール認知活動のある側面を調整すること
#認知活動を中断したり,続けると判断したり,
 途中でそれを変更したりする
・難しい問題を解くのに新しい方策を使うことに決める
・雑学的知識問題の答えを思い出そうとさらに時間をかけることにする
・単純リハーサルの反復を止め,語呂合わせに切り替える。

これら諸概念を,それぞれ単独ででなく,相互に関連させて理解するのに有用なのが,
Nelson & Narens(1990)のメタ認知と認知の関係についての一般的枠組み。

2015年8月13日木曜日

メタ認知療法についての私的まとめ③

「メタ認知療法」第1章「メタ認知療法の理論と特質」の「メタ認知の性質」

メタ認知の性質
メタ認知の研究:発達心理学→記憶の心理学,加齢と神経心理学の研究という流れ。
近年,Wellsはこれを精神障害の基盤として検討。

メタ認知という言葉が記述すること:認知の解釈,モニタリング,制御に関与する
あらゆる知識または認知過程(これらは相互に関連しあう)
→知識,経験,方略に分けられる。

2015年8月7日金曜日

メタ認知療法についての私的まとめ②

「メタ認知療法」 第1章 メタ認知療法の理論と特質
(今回は「メタ認知の性質」の前まで)

誰もがネガティブな思考を持つ
思考をコントロールし,心の健全な制御(そうした思考を無視できる)と,
不健全な制御(より長く深い苦悩に沈みこむ)を分けるのは何か?
本書の主張:メタ認知。感情と感情に対する制御力を決定するのは,
人が何を考えるか(What)だけでなく,どう考えるか(How)。

2015年7月31日金曜日

メタ認知療法についての私的まとめ①

Metacognitive Therapy for Anxiety and Depression(英語版)(日本語版)のPrefaceを
まとめてみました。(#は私なりのコメントです)

#メタ認知療法とは,従来の認知療法のように「何を考えるか」という観点からでなく,
「どのように考えるか」という観点から,不安障害と気分障害の維持を考察し,
介入する新しい認知療法です。

認知の重要性
思考が感情と心理面のウェルビーイングに影響を及ぼす。
#従来の認知療法を踏まえている。

MCTの中心的前提:精神障害は,思考がどの程度持続・反復するか
(裏を返せばどの程度一過性か)による=思考スタイルの選択とコントロールのプロセス。
規定するのはメタ認知(=自身の内的経験にどのように関与するか)。

CTとMCTの違い

従来の認知行動理論MCT
焦点偏った思考の内容思考の反復,持続の程度。陰鬱で制御困難。
無益な思考パターンの
原因への関心
なし(強いて言えばネガティブな信念)あり。メタ認知。
自身の思考とどのような関係を持つか(つき合うか)。
感情的苦痛の中心自動思考精神的プロセスの制御,持続する思考に対する考え方の選択
(CAS;無益な,心配/反芻のプロセスおよび精神的制御の方略)

メタ認知理論の提案:思考と情動の障害の原因となるメタ認知は,
従来のCBTで強調されてきた他の思考や信念とは別個のものである。

2014年10月12日日曜日